小児矯正
小児矯正とは?
矯正治療は、「小児矯正」と「成人矯正」の2つに大きく分けることができます。
小児矯正はその名の通り子供が受ける歯並びの治療なのですが、当院ではさらに5つのステージに細分化して治療を行っています。
5つのステージは以下の通りです。
- 歯が生える前(-1~3歳)
- 乳歯列(3~5歳)
- 前歯が永久歯に(6~7歳)
- 前歯上2本下4本が永久歯(8~12歳)
- すべてが永久歯(12歳~)
小児矯正は何歳から始めるべき?
矯正の開始時期は、主に歯の萌出状況によって判断します。
また、治療が必要かどうかもお子様のお口をしっかり検査しなければわかりませんので、不安な点が出てきた時点で当院までご連絡ください。
ちなみに当院では、-1歳から「口腔育成コース」という形でお子様の歯並びの問題に対応しております。
子供のうちに矯正治療を受けるメリット
歯並びの治療に「成人矯正」もあるのなら、大人になってから矯正しても良いのでは?というご質問をよくいただきます。
もちろん、大人になってからでも矯正治療は受けられますし、さまざまな歯並びの異常を治せますが、小児矯正によって得らえる治療効果とは大きく異なる点があります。
そのため、子供の頃から矯正治療を受けた方がたくさんのメリットを得られやすいのです。ここではそんな小児矯正によるメリットを詳しくご紹介します。
顎の骨の発育をコントロールできる
成長期に受ける小児矯正では、顎の骨の発育をコントロールすることができます。
発育が遅れていて、顎骨の幅や奥行きが標準よりも小さい場合は、さまざまな器具を使って大きくすることができます。
逆に、発育が進みすぎて上下の顎のバランスが悪くなっているようなケースでは、それ以上、顎の骨が大きくならないよう働きかけることもできます。
こうしたアプローチは、成人矯正で行うことは不可能です。
非抜歯矯正の可能性が高まる
矯正治療には、便宜抜歯(べんぎばっし)と呼ばれる歯を抜く処置を伴うことが多いです。
健康な歯を抜くことに、強い抵抗を感じる方も多いです。そこでまず、矯正治療で抜歯が必要になる理由を考えてみましょう。
矯正で抜歯が必要になる理由
親知らずを除くと永久歯は全部で28本生えてきます。それをすべて顎骨という限られたスペースに並べる必要があります。
つまり、顎の骨というのは歯を並べるための「土台」であり、それが標準よりも小さいと、きれいな歯列弓を構築するのが難しくなりますよね。
八重歯や乱ぐい歯、出っ歯などは、スペース不足が原因で歯列から特定の歯が逸脱した結果なのです。
そこで有用なのが抜歯です。審美性や機能性への影響が最も少ないと思われる小臼歯(しょうきゅうし)などを抜くことで、不足しているスペースを補えますが、貴重な天然歯を失うことになります。
正常な土台を築けば十分なスペースを確保できる
小児矯正で、顎の骨の発育を正常化して、28本の永久歯を並べるに足る土台を築き上げれば、スペース不足を招くことはなくなります。
その結果、お子様の歯並びに起こる異常も最小限に抑えられるのです。
永久歯列の矯正期間が短くなる
乳歯列から混合歯列にかけての治療を受けることで、永久歯列期の治療期間を大幅に短縮することが可能となります。
12歳くらいから始める「第二矯正期」は、思春期真っただ中であり、矯正装置を装着する期間が短くなることは、お子様の心身への負担を大きく減らすことにもつながります。
心理的なコンプレックスの緩和
歯並びの異常は、口元のコンプレックスになりやすいです。
思春期に入る前に歯列不正・不正咬合の根本的な原因を取り除くことで、健やかな中学校・高校生活を送れるようになることでしょう。
虫歯・歯周病リスクの低下
子供の歯は、生後6ヶ月くらいから生え始め、大人の歯と混在する時期も長く続き、永久歯列が完成するのは12歳以降です。
その12年間は歯並び・噛み合わせが安定せず、汚れがたまりやすくなります。
早期に矯正を始めることで、清掃性が高まり、歯垢・歯石が堆積しなくなるため、虫歯・歯周病のリスクも低下します。
当院の小児矯正の特徴
当院は、お子様の歯並びに何らかの異常が認められる場合は、早期治療を推奨しております。
それは「難しい歯並びを、難しく治す」のではなく、「難しくならないように早期に簡単に治療する」ことが最善だからです。
そこで導入しているのが「Biotherapy(生物学的機能療法)」です。
生物学的機能療法とは?
生物学的機能療法とは、歯並びが悪くなった原因を考え・改めることです。
食事の環境を見直したり、悪い習癖を改善したりすることで正しく歯が並ぼうとする力を助けてあげます。
当院では、まず生活習慣についてお聞きし、改善頂けることは改善して頂きます。自分の力で歯並びを治すことができればそれが良い方法だと考えているからです。
しかし、生物学的機能療法だけでは治らないと考えられる場合に装置を使った矯正治療を行います。それが次の「メカニカルな矯正治療」です。
メカニカルな矯正治療とは?
生物学的機能療法による歯並びの改善だけでは難しい場合は、特定の装置を使うことになります。
ただし、装置を使うからといって生活習慣を改善しなくて良いわけではありません。
当院では「床矯正装置」「ビムラー矯正」「マウスピース型矯正装置」など、取り外し可能で、歯に金属の装置を付けないものをご紹介させて頂いております。
※どの装置でもケースによっては矯正専門医のブラケット治療が必要となる場合があります。
それぞれの特徴は下記からご確認ください。
若林歯科の口腔育成と矯正治療STAGE
冒頭でも述べたように、若林歯科では子供の歯並びの問題を5つのステージに分けて解決していきます。
ここではそれぞれのコースについて簡単にご紹介します。
口腔育成コース
口腔育成コースは、「歯が生える前(-1~3歳)」と「乳歯列(3~5歳)」を通して行う治療です。
具体的に歯並びを整えるのではなく、口腔環境の健全化・正常化に重きを置いた診療となります。
ただし、乳歯列期に入ると「Vkids」という夜眠る時だけ着けるマウスピース型の装置を使用します。
「小児睡眠時育脳サポート装置」とも呼ばれるもので、子供の成長する力でお口を大きくします。
プレ矯正コース
プレ矯正コースは、「前歯が永久歯に(6~7歳)」なってから始める治療です。
「プレ(前の)」という名前がついている通り、小児矯正の準備段階に当たります。
「顎が小さい原因を治す」ことが主な目的です。
矯正コース
矯正コースは、「前歯上2本下4本が永久歯(8~12歳)」になった時期に始める治療です。
一般的には小児矯正の「1期治療」に当たります。
床矯正、ネオキャップビムラー矯正、インビザラインファーストなどで対応し、「顎を大きくする」ことを目指します。
本格矯正コース
本格矯正コースは、「すべてが永久歯(12歳~)」に生え変わった時期に行う治療です。
一般的には小児矯正の「2期治療」に当たります。
当院では主に「インビザライン」を用いて歯並びの乱れを細かく整えます。